業界では、サプライヤーの保証レベルを維持するために、リモート監査への移行を急ぐ動きがあります。リモート監査は、情報通信技術(ICT)の追加により、品質チームやコンプライアンスチームが重要な業務領域に影響を与えることなく、継続的なサプライヤー活動で積極的な役割を担うことを可能にします。
リモート監査のメリットとして、コスト削減、移動制限やロジスティクスの制約に左右されない、リソースの有効活用、サプライヤーを継続的に監視できる、といったことが挙げられます。
サプライヤー監査による最高レベルの品質の確保
業種に関係なく、製造環境は欠陥製品あるいは有害製品の原因となり得る潜在的に有害な汚染物質、混入物、または不純物がない状態に維持しなければなりません。
政府規制が導入されている場合、品質の問題やインシデントがことさら大きな問題となる可能性があります。
リスクの最小化とコンプライアンスの確保
グローバルサプライヤーへの依存が強まる中、企業はバリューチェーンにおけるコラボレーションや透明性を強化しようとしています。現在、単一のサプライヤーリポジトリーを使用してサプライヤープロセスの維持と合理化を図ることが重要になっています。
サプライヤーモジュールを利用すると、紙ベースの調査を何度も行う必要がなくなり、迅速なオンボーディングが可能になります。サプライヤー管理モジュールは必要なサプライヤー文書を収集・追跡・管理し、ダッシュボードにステータスをリアルタイム表示します。リスクベースのサプライヤー監査をスケジュールして、サプライヤーが証明書、仕様書、取扱説明書(IFU)などの文書を1か所で更新することが可能で、ユーザーが部品表(BOM)を請求できるようにすることができます。
監査員は、適切な基準に照らして評価した後、優れた実践、リスク、見つかった問題点などの監査結果を記載した定型レポートを生成できます。このレポートは、監査結果や所見について議論するベースとなります。監査管理システムのレポート機能は、複数のレポートから収集したデータからトレンドや指標も生成します。例えば、複数の監査グループを追跡できるシステムを使用すれば、全体のリスクや優先順位をまとめ、各グループ単位だけでなく、すべてのグループにわたってリソースの優先順位を決定することが可能です。
もしサプライヤーに関係する品質インシデントが発生した場合、サプライヤーポータルを介してサプライヤーとリアルタイムでコミュニケーションを取りながら問題を解決し、疑わしい材料または完成品を除去し、サプライチェーンの信頼性が向上します。サプライヤーの追加、監視、排除を素早く行えることで、品質不足に伴うコストを節約する能力が大幅に向上します。
リモート監査でサプライヤー品質を最優先にする
レジリエンスは、サプライチェーンにおける重要な評価基準となっています。電子システムを導入済みの企業は、DXジャーニーが進んでいます。しかし、そうでない企業もまだ追い付くことが可能です。
リモート監査を成功させる鍵は、計画、スケジューリング、実行、レポート、措置、終了という6つの領域に分けることができます。これら6つの領域の詳細については、電子書籍「Step-by-Step Guide to Remote Audits」をご覧ください。