大量の文書を適切に管理しなければならない規制産業の製造業者にとって、文書管理は効率的に行いたい重要業務です。そこで本記事では、規制産業に身を置く製造業者が「文書管理を最適化する方法」について詳しく解説していきます。

1.文書管理リスクと効果的な文書管理方法

ライフサイエンスなどの規制産業に携わるメーカーにとって、品質は重要です。製品の安全性と有効性を確保し、業界の規制に準拠するためです。しかし、これらの規制に準拠するために必要となる、大量の文書を管理および統制することは、かなりの課題となりえます。  
文書管理とは、製造される製品の品質に関連する文書を作成・保管・管理するプロセスです。例として、以下があります。

・品質マニュアル

・手順書

・作業指示書

・検査/監査/試験結果の記録  

不適切な文書管理で負うリスク 

適切な文書管理は、製品の品質を保証し、業界の基準と規制に適合するために欠かせません。  仮に不適切な文書管理をすると、以下のような多くのリスクを負ってしまいます。 

  • ・罰金、罰則、認定資格の喪失につながる可能性のある業界の基準および規制の不遵守 
  • ・文書に記載された情報が不正確または不完全なため、製造工程で誤りが生じ、品質の低い製品となる可能性 
  • ・必要書類の検索や確認が困難で、製造工程の遅延や非効率が引き起こされる可能性 
  • ・文書の変更を追跡調査できないため、品質問題の原因特定が難しくなる可能性

効率的な文書管理とは? 

文書を効率的に管理するためには、以下のような方法やツールがあります。 

  • ・システムの構築:文書の作成・レビュー・承認・保管方法を定義する文書管理システムの構築
  • ・バージョン管理:時間の経過によるドキュメントの変更点を把握できるバージョン管理の実施
  • ・簡単アクセス:文書を必要とする人が容易にアクセス可能 
  • ・定期的な管理:正確で最新の状態を保つため、定期的に文書を見直し、更新
  • ・監査と検査:文書管理システムが効果的に機能していることを確認するための監査や検査の実施

2.効率的な文書管理に役立つ技術

文書管理方法を模索している企業の品質管理者は、以下のような技術的な機能を求めています。

  1. 1. 文書のバージョン管理:文書のさまざまなバージョンを追跡・管理し、常に最新のバージョンを使用できる機能。
  2. 2. 文書承認ワークフロー:文書の作成・レビュー・承認のプロセスが定義され、すべての文書が正確で最新であることを保証する機能。 
  3. 3. アクセス制御:文書にアクセス・閲覧・編集できる人を制御し、権限がある人だけが文書にアクセスできる機能。
  4. 4. 文書の検索と取得:特定の文書を素早く検索し、見つけ出せる機能。従業員が必要な情報に簡単にアクセスできる。
  5. 5. 監査証跡:ドキュメントの変更を時系列で追跡でき、誰がいつ変更したかを簡単に特定できる機能。 
  6. 6. 電子署名機能:文書に電子署名を付けられる機能。必要なすべての承認を得やすくなる。
  7. 7. 他のシステムとの統合:品質管理ソフトウェア、ERP(企業資源計画)システム、MES(製造実行システム)などの他のシステムと文書  を統合できる機能。 
  8. 8. モバイルアクセス:モバイルデバイスから文書にアクセスできる機能。工場や現場で働く従業員が簡単に文書にアクセスできる。 
  9. 9. クラウドベースまたは自社のホスト管理か選択:文書管理システムをクラウドまたは自社サーバーでホスティングするかを選択できる機能。 
  10. 10. セキュリティ:文書が安全に保管・送信され、機密情報が不正アクセスから保護される機能。

3.規制当局との5つのコミュニケーションにおける文書管理の役割

製薬や医療機器など規制がある産業の製造業者は、文書管理の技術を使用することで、規制当局とコミュニケーションがしやすくなります。

製造業者が文書を作成・レビュー・承認・保管するプロセスを自動化することで、製造プロセスのエラーによるリスクを軽減することが可能です。規制当局が必要とする文書についても、簡単に確認できるようになります。

1.コンプライアンス

文書管理技術は、規制産業の製造業者が規制に対するコンプライアンスを確保するのに役立ちます。文書管理プロセスを自動化し、文書の作成・レビュー・承認・保管を容易にするのが文書管理技術です。製造プロセスのエラーリスクが軽減され、規制当局が必要とするすべての文書を確認しやすくなります。 

2.電子提出

タイムリーな文書提出が可能になるメリットがあることから、多くの規制当局では、現在、電子文書による提出が可能です。文書管理技術は、製造業者が文書を電子的に準備・提出するプロセスにも役立っています。

3.監査と追跡

文書管理技術は、製造業者が文書に加えられた変更を追跡・監査するのにも役立ちます。とくに、規制当局によるレビューの際に有用です。 製造業者は、文書が規制当局の適切な担当者によりレビューおよび承認され、変更点についても適切に文書化されたことを示せるようになります。

4.機密情報の安全な保管

医薬品や医療機器のような規制がある産業では、製造業者は機密情報を安全に保管する必要があります。文書管理技術は、製造業者が文書を安全に保管し、不正アクセスから機密情報を保護するのに役立ちます。 

5.報告

文書管理技術は、製造業者が規制当局と共有するレポートを作成するのにも役立ちます。なお、レポートには、文書の承認状況・文書の変更・規制へのコンプライアンスに関する情報も含まれます。 

総じて、文書管理技術は、規制産業の製造業者が文書をより効果的に管理・統制するのに役立ちます。規制を遵守することにおいても、検査や監査の際に規制当局にコンプライアンスの遵守を証明ことにおいても、文書管理技術が助けになるでしょう。
規制産業の製造業者にとって、コンプライアンスと効率を向上させる技術を、品質向上において活用するという統合的なアプローチは不可欠です。

そのためには、文書管理技術・監査と追跡・安全な保管および報告が重要な要素になります。品質向上課題の解決につながる要素を導入することで、製造業者はコンプライアンスを満たしつつ、製造プロセスにおけるエラーのリスクを軽減できるようになります。

文書管理で効率化に成功した製造業者2つの事例

TrackWise Digital」の顧客であるArbor Pharmaceuticals社とMikart社の2社の事例をみてみましょう。製薬業界の文書管理に関して、企業がどのような課題に直面しているかがわかる事例です。

Arbor Pharmaceuticals社

40以上の医薬品契約製造機関(CMO)を持ち、年間400件以上の変更管理記録を持つバーチャル製薬メーカーであるArbor Pharmaceuticals社。同社は品質マネジメントシステム(QMS)を利用して、文書の承認と保管を効率化し、安定性コントロールを向上させました。

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Mikart社

1975年以来CDMO(受託製造機関)のリーダーとして知られるMikart社は、最先端の技術と専門知識をもって、仮装および中規模の製薬/バイオテクノロジー企業に医薬品開発・受託製造・包装サービスを提供しています。同社は、品質マネジメントシステムのニーズを見直すデジタル変革イニシアチブを経験しました。  

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文書管理システムの導入理由

Arbor Pharmaceuticals社、Mikart社ともに、文書の作成・レビュー・承認・保管を行え、かつ、必要な人が文書に簡単にアクセスできる文書管理システムを探していました。 

Arbor Pharmaceuticals社は、手作業による紙ベースの変更管理システムとリソース集約型の文書管理システムを組み合わせて使用していることが課題でした。  

Mikart社は、品質を紙ベースからデジタルに移行するテクノロジーを探していたそうです。なぜなら、承認と署名のために、広大なキャンパス内を文書を持って徒歩で移動することに時間と労力をかけ過ぎていたためです。

文書管理システムの導入で得られたメリット

TrackWise Digital」の導入により、Arbor社とMikart社は文書管理プロセスを自動化し、文書の作成・レビュー・承認・保管が容易になりました。  

現在、Arbor社の従業員は、毎日「TrackWise Digital」を使用し、かつての管理方法とはまったく異なる方法で文書のレビューと承認を行っています。その結果、Arbor社は適時性と効率性の両方の改善に成功しました。  

Mikart社の場合、「TrackWise Digital」の導入により、携帯電話からデータベース上の文書にアクセスできるようになったことが業務に役立ちました。それまで2~3日かかっていた承認プロセス、1日以内に完了できるようになったそうです。  

TrackWise Digitalで無駄のない文書管理を実現

これら2社の事例は、製薬業界における文書管理に関して企業が直面しうる課題を象徴したものです。Arbor社とMikart社は、「TrackWise Digital」を使用して品質マネジメントプロセス全体と統合しながら、文書管理を改善できました。文書管理における自社の課題解消に「TrackWise Digital」を導入してみてはいかがでしょうか。

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文書管理システム導入後の結果について2社のコメント  

Arbor社の品質オペレーションアナリストは以下のように述べています。

「今では、QMSソフトウェアの使い方ではなく、社内の手順について質問されることがほとんどです。今となっては、誰も以前のシステムに戻りたいと思う人はいないと考えています。「TrackWise Digital」のおかげで業務が楽になりました。当社の全CMOが使用してくれればと願うばかりです。」 

一方、Mikar社の品質オペレーションアナリストは以下のように述べています。「調査の承認に2〜3日かかっていました。「TrackWise Digital」では、たとえ在宅勤務中であっても、別の州で商談中であっても、すぐに文書を送れます。」