多くの製薬企業やバイオテクノロジー企業は品質管理システムに投資し始めています。しかしながら、従来と同じくエクセルにデータを手入力していたり、オンラインでの情報共有が不可能なサイロ化したシステムを使用していたりすることが珍しくありません。 

新興企業や中堅企業はリソースが不足していることが多く、規制コンプライアンスに目を光らせながら、受託製造サービスや戦略的パートナーシップ関連の支出を注意深く監視しなければなりません。しかしながら、品質管理システム(QMS)を導入するメリットが追求されることは滅多にありません。完全に統合されたQMSソリューションなら、イベント追跡や監査といったプロセスを自動化し、いつでもアクセスでき、さまざまなデータから洞察を得ることのできる、単一の情報システムを構築することができます。 

統合された品質管理システムの主な機能 

技術の進歩により、社内だけでなく社外のソースからもデータを取得できるようになっています。技術コストも低下し、品質管理ソフトウェアの導入・維持のハードルが下がっています。さらに、製造工程に品質管理システムを統合することにより、生産基準が満たされておらず、是正措置の必要が生じた場合、アラートによって把握することができます。QMSは、生産施設間、地理的に分散した拠点間、さらには新設企業や合併企業との間で製造工程を統合・合理化することもできることから、オペレーショナルエクセレンスの向上とサイクルタイムの短縮を促進します。 

大手製薬企業は、ビッグデータや予測アナリティクスを利用して、従来は異なるシステムにサイロ化されていた情報を引き出し、処理する方向に向かっています。しかし、中堅企業や新興企業にとって品質管理ソフトウェアの最も大きな短期的なメリットの1つは、品質、製造、市販後調査、研究開発といった独立したサイロから単一のグローバルシステムにデータを移行することでしょう。 

品質データがサプライチェーンに及ぼす影響 

QMSは、製薬企業やバイオテクノロジー企業が直面している最大の課題の1つであるサプライチェーンを対象にすることもできます。 

企業によっては、品質管理システムを使用してサプライヤーの状況を調べ、リスクがあると判断すれば、新しいサプライヤーの選定準備などの予防策を講じています。優れたシステムは、サプライヤーを定期的に評価し、サプライヤーのスコアカードとリスク指標を生成することができます。 

品質管理システムの導入だけでなく、品質KPI(主要業績評価指標)や目標の設定、およびスケジュール策定も実現するには、経営幹部の賛同も不可欠です。品質KPIは、主観的な目標かもしれませんが、品質管理システムからは客観的なデータを得ることができるため、さまざまな改善に活用できます。

デジタル品質管理システムのメリットの享受 

新しい品質管理システムの導入は、企業の規模によって異なることがある戦略的問題です。しかし、業界の複雑さを考えると、データの完全性は持続可能な競争優位性となります。 

品質管理システムは、プロセス、オペレーション、サプライヤー品質、有効性という4つの領域にメリットをもたらします。詳細については、ホワイトペーパーをご覧ください。 

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